Assemblage(アッサンブラージュ)
カテゴリー:ブレンド技術(カルヴァドスの品質を決める重要工程)
■ 定義
Assemblage(アッサンブラージュ)はフランス語で
「ブレンド」「調合」 を意味します。
カルヴァドスにおいては、
異なる年・樽・産地・蒸留方法の原酒を組み合わせて、
理想的な味わいを作る工程 を指します。
コニャックやウイスキーのブレンダーと同じく、
**カルヴァドスの“職人の技”が最も光る工程** です。
■ Assemblage の役割
- 味・香り・余韻のバランスをととのえる
- 毎年一定の品質を保つ
- 複数の樽を掛け合わせて複雑さを生む
- 若い原酒と古い原酒の強みを補い合う
- メゾン独自のスタイル(ハウススタイル)を作る
■ ブレンドに使われる主な要素
- 樹齢の違い:若木のフレッシュさ、古木の深み
- 品種の違い:Amère(ビター)・Douce-Amère など
- 蒸留方法:単式蒸留 vs. 2回蒸留(Pays d’Auge)
- 熟成年数:2年の若酒~30年超の古酒
- 樽の種類:新樽、古樽、シェリーバットなど
■ Assemblage が重要になるカルヴァドスの等級
- V.S.O.P(4年以上):複数年のバランスが求められる
- XO(6年以上):長熟原酒を複雑に構成
- Napoléon / Extra / Hors d’âge:
多層的ブレンドでメゾンの実力が現れる
■ Domaine & Maison と Assemblage の関係
- Domaine:自家原酒のみでブレンド → “畑の個性”が統一されやすい
- Maison:複数農家の原酒を使える → より大胆なアッサンブラージュが可能
■ 背景
Assemblage はカルヴァドスの伝統技術の中心であり、
**“ブレンダーのセンスが結果を左右する”** 非常に繊細な仕事です。
特にブラー(Boulard)、コクレル(Coquerel)、ビュルス(Busnel)などの
メゾンはアッサンブラージュ技術で国際的に高い評価を受けています。
単一樽(Single Cask)や単一年(Millésime)とは異なり、
Assemblage は **複数要素を組み合わせて最高の調和を作る芸術** とされています。