Eau-de-vie de Cidre（オー・ド・ヴィ・ド・シードル）
カテゴリー：りんごの蒸留酒（カルヴァドスの基礎となるスピリッツ）
■ 定義
Eau-de-vie de Cidre（オー・ド・ヴィ・ド・シードル）は、
りんごを発酵させて造ったシードルを蒸留した透明なスピリッツで、
樽熟成を行う前の“蒸留したてのカルヴァドスの原形”にあたる酒です。
カルヴァドスの熟成前の段階であり、
樽熟成を経て初めて「Calvados」と名乗ることができます。
■ 特徴
- 無色透明のままボトリングされる（樽熟成なし）
- 青リンゴのフレッシュで強い香り
- ドライでシャープ、クリアな味わい
- アルコール度数は通常 40〜50%
- カルヴァドスよりも原料のリンゴの個性がダイレクトに出る
■ 製法
- ① りんごを搾り、発酵させてシードルを造る
- ② シードルを蒸留（単式蒸留 もしくは 2回蒸留）
- ③ 樽熟成を行わず、透明な状態のまま瓶詰め
- → ここから熟成を行うとカルヴァドスへと変わる
■ 用途
コアなスピリッツ愛好家やバーテンダーの間で人気があり、
カルヴァドスとは異なるピュアな個性を楽しめます。
- カクテルのベース（ジン代替・フルーツ系と好相性）
- 冷凍庫で冷やしてショット
- 柑橘・ミント・ハーブ系の素材と合わせる
- デザートやソースのフランベにも使用可能
■ 背景
Eau-de-vie de Cidre は、
「カルヴァドスになる前の姿」として、
りんご蒸留酒の最も純粋なスタイルを示すカテゴリーです。
歴史的には農家がシードルとともに自家製のオー・ド・ヴィを造り、
それを樽で熟成してカルヴァドスを生み出してきました。
現代では一部の生産者が未熟成の状態で瓶詰めした製品をリリースしており、
カルヴァドスとは異なる楽しみ方が注目されています。
