Maison(メゾン)
カテゴリー:カルヴァドスの生産者・ブランド(ブレンド主体の造り手)
■ 定義
Maison(メゾン)はフランス語で
「家」「生産者」「酒造メーカー」「ブランド」
を意味する言葉で、カルヴァドスにおいては
複数の農家や蒸留所から原酒を買い付け、ブレンド(アッサンブラージュ)を中心に行う造り手
を指します。
ワインの「ネゴシアン」に近い立ち位置で、
熟成庫・ブレンド技術・ブランド力を武器に多様なスタイルを生み出します。
■ Maison の特徴
- 複数の農家から原酒を買い付けてブレンド
- 安定した品質と大規模な供給が可能
- Domaine よりも多様なスタイル・表現が得られる
- 長期熟成や特別キュヴェに強いことが多い
- 自社熟成庫(Chai)で独自の熟成を行う
■ Maison と Domaine の違い
- Domaine(ドメーヌ):
自家果樹園 → 自家醸造 → 自家蒸留 → 自家熟成の一貫生産。
テロワールの個性が強い。 - Maison(メゾン):
複数の生産者から原酒を調達してブレンド。
大規模な供給力と安定した品質が強み。
■ Maison の魅力
- 毎年の味を安定させる高度なブレンド技術
- 古いストックを保有している場合が多く、長期熟成に強い
- XO や Hors d’âge、特別キュヴェを多くリリース
- 世界市場への供給力がある(国際的評価を得やすい)
■ 背景
ノルマンディーには大規模メゾンが複数存在し、
カルヴァドスの世界的な知名度向上に大きく貢献しています。
有名な Maison としては、
コクレル(Coquerel)、ブラー(Boulard)、ビュルス(Busnel)、ドローイン(Drouin)
などが挙げられ、
いずれも高いブレンディング技術と豊富な熟成ストックを持ち、
世界市場に高品質なカルヴァドスを供給しています。
Maison は **“ブランドとしてのカルヴァドス”** を牽引する存在です。